Team Holocaust Laugh |
Brain Summit |
杉田:・・・なぁ、天使。 奥山:ん、どうした悪魔。珍しいな、君から声をかけてくるなんて。 杉田:今までお前も俺の事ずっと悪魔悪魔って呼んでるけどさ、この人のところでもう60年以上も悪魔やってると、なんていうか、その、精神的にキツくてさ。 奥山:ま、まさか・・・君、あのタブーを破りたいっていうんじゃ・・・ 杉田:あぁ、俺、天使になりたいんだ。だから、交換してくれっ!! 奥山:無理言うな!この坂田さんの下で天使と悪魔として、判断をつかさどるのが僕たちの役目なんだ。受け持つことになった坂田さんが死ぬまで僕は天使、君は悪魔としてやっていかなければいけないのは決まっていることなんだ! 杉田:でもさ、慣用句にも「かわいい子には旅をさせろ」って。俺かわいいだろ? 奥山:ここで使うやつじゃねえよ。しかもぶりっ子ナルシストか君は。そんなになりたいのか? 杉田:ああ。だからお前が寝ていたときに脳内から抜け出してハローマックに行って天使の仕事探してたんだ。 奥山:ハローワークに行け!全国展開中のおもちゃ屋行っても解決策ないから。 杉田:そうして人生ゲームを買ったのさ。 奥山:いや確かに天使出てくるけどさ。 杉田:これでもさせてくれない? 奥山:ダーメ。それに君が天使ってことは僕は悪魔だろ?ずっと天使でいたいもん。 杉田:いいじゃん。坂田さんに頼み込んで天使ふたりで。 奥山:1番ダメだろ。究極にバカになる。 杉田:どっちかっていうとアホになるんじゃねえのかなぁ・・・ 奥山:んなのどっちでもいいんだよ!とにかく人間の脳っていうのはバランスが必要なの。 杉田:じゃあさ、お前から俺が天使になるためのアドバイスを教わるってのはどうよ。 奥山:まあそんくらいならいいんじゃないかとは思うけど・・・ 杉田:じゃあ早速教えてくれ。 奥山:じゃあまず一つ目、というか君なら知っていると思うけど、金のオノ銀のオノって話あるだろ? 杉田:ああアレだろ?新人ホスト金と銀の、歌舞伎町の初任給ドキュメント。 奥山:方向性全然違うよ!童話だ童話!正直者の主人公の話。 杉田:バカヤロー、ホストって職業はな、お客さんだけじゃなくて自分にも正直じゃないと成り立たないんだよ! 奥山:だから何とかしてドンペリのボトル開けさせようと努力する男たちの話じゃないって。君が本当の正直者かどうか試してやるから。 杉田:やってやろうじゃないの。 奥山:ザパン!お前が落としたのは金のオノか銀のオノか? 杉田:いえ、落としたのは現金三千円と逃走用の荷車です。
奥山:来る前何してたんだよ!何か全体的にレベル低いし。 杉田:どちらでもありません。落としたのは苦手な客がオーダーした時用にとっといてある鉄のオノの破片が入ったロマネコンティです。 奥山:アブね!しかもまた酒か。あのな、いくら君がAB型の二重人格で、もう一人がホストの人格だからってな、それ抑えることできないワケ?天使になりたいのであって、ホストになりたいんじゃないんだろ? 杉田:ああ、もちろんだ。 奥山:じゃあ次な。天使は決して人選びをしてはいけないしよそ見をしてもいけない。 杉田:・・・よくわからないんだが。 奥山:要するに一本集中ってこと。ホストが出てきて苦手な客作るなって事だよ。 杉田:その一本ってのはさ、もちろん技ありあわせてより一本背負いでズバッときめたほうがいいよな。 奥山:柔道とは別だよ!他の人の気持ちで考えず、己を信じろってこと。 杉田:そゆことね。了解了解。誰かがウインカー出してもまっすぐ突き抜けてくださいって言う訓練だな。 奥山:その例えだか作り話だかわかんないヤツにコメントのしようがないんだが。そんなことさせられんの? 杉田:まあ、趣味の一貫てとこかな。 奥山:今すぐやめろ。坂田さんの危機にもなる。あと一つ挙げるなら、決して悩むなってくらいかな。その三つさえ完璧にできれば、9割くらいマスターしたことになる。 杉田:サンキューな。でも俺、この坂田の中にいるなら、ずっと悪魔でもいいような気がしちゃってさ。 奥山:は?君がなりたいって言うから教えてやったんだぞ!君のその二重人格をホストなんかじゃなくて、もっとうまく使うことができたら君は将来いい天使になれると思ったから言ったのに、それを今更なんだって言うんだ! 杉田:だって、俺たちの脳って坂田利夫、アホの坂田の脳だろ? 奥山:うん。 杉田:な。そう考えたら意味ねーんだもん。なんか途中からお前を騙すみたいになっちゃって、ごめんな。 奥山:さすがホストの人格だよ。君は口先の小悪魔だ。
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