スマッシュ・クラッシュ
オバクダン

松田:ちくしょう、また爆弾だと!!処理班を呼べ!!何?人手が足りないだと!!ふざけんな!!クソー!!どうしたら…。

浜本:ねえねえ、お兄さん。何があったの?何の騒ぎ?

松田:あ、ちょっとおばさん。危ないです、下がってください!!爆弾が仕掛けられてるんです!!

浜本:あらー。奇遇ねー。アタシ、爆弾処理の資格もってるのよー。

松田:ええ!?ホントですか?どっからみても主婦ですけど…。

浜本:まー、子供も手がかからなくなってー。空いた時間に近所の奥さんを誘って、爆弾処理のおけいこして、そのままランチみたいなー。うーん。

松田:なんで、習い事で爆弾処理にいっちゃったかなあ?今は助かるけど…。

浜本:ねえ聞いてよー。この前、斎藤さんとこの奥さん。自分のカバンと間違えて爆弾もって帰っちゃって、ドカーン!!アハハハハハ。もうあの人らしい最期だったわー。フフフ

松田:笑い事じゃないですって!!大変じゃないですか!!

浜本:吉岡さんとこの奥さんは、カップラーメンに間違って爆弾のっけてお湯をかけちゃって

松田:バ、バカ!!かやく違いだよ!!

浜本:あたしも、吉岡さんに進められてしぶしぶ食べてみたら意外とおいしくて。

松田:アンタも食うな!!なんで爆弾がいわゆるマヨネーズのポジションなんだよ!!

浜本:あ、そうそう聞いてよ。インストラクターの人が男前でさー。アタシの恋の導火線にも火がついちゃったみたいなー。

松田:そのインストラクターが必死に導火線の火を消そうとしてるのが、目に見えるよ!!もう雑談はいいんで、処理をお願いしますよ!!

浜本:はいはい、わかりました。……やだー。時限爆弾じゃない…。アタシ、機械オンチだから苦手なのよねー。

松田:ちょっと、何言ってるんですか!!今時の爆弾は大抵機械仕掛けでしょうが!!

浜本:あたし、黒くて丸い爆弾専門だから。

松田:そんな爆弾、ボンバーマンの中にしかないよ!!

浜本:縦と横にしか爆風が広がらない奴専門だから。

松田:完全ボンバーマンじゃないですか!!

浜本:グローブをはめて、2,3歩先へポイ!ってやる処理が得意で。

松田:そういうのあんまり爆弾処理って言わないって!!もうボンバーマンから離れてくださいよ!

浜本:あ、そうだわ。うちのお父さんは機械に強いから、呼んでくるわ。家でゴロゴロしてるだけだし。

松田:お父さんは爆弾処理の資格ないでしょ!

浜本:あ!

松田:あ!じゃないですよ!

浜本:保険金かけとかなきゃ。

松田:何考えてるんですか!!夜9時からの2時間サスペンスはかかさないってか!?

浜本:ああ、ようやく仕組みがわかったわ。うちのビデオと一緒よ。

松田:ビデオと一緒て、どんだけユーザーを意識した爆弾なんだよ!!

浜本:こうやったら、予約できるみたいよ。ピッ。

松田:予約すなー!!

浜本:あ!30分後に予約したつもりが、30秒後にセットしちゃったわ!あたしこんなんだから、いっつもお父さんに怒られて。

松田:ちょっと、爆発まで全然時間ないじゃないですか!!このままじゃ二人とも木っ端微塵、ぐちゃぐちゃですよ!!

浜本:あ、今日の晩御飯、ハンバーグがいいわね。

松田:なんで、こんなときに夕食のメニューを考えてるんですか!!しかもヒントが僕達の末路て!!

浜本:あ、ここにたまねぎ置いといたら、みじん切りや、炒める手間も省けるわね。

松田:今、そんな主婦の知恵を発揮しなくていいですって!!それに、もう爆弾を処理する気ゼロじゃないですか!逃げても間に合わないし!

浜本:あ、あらかじめアロエ塗っとこうかしら?

松田:アロエ常備かよ!!火傷に効くけど、爆弾の前じゃ無力だよ!!

浜本:(ぶぅー!)やだー。オナラしちゃった。

松田:なんで、爆発の威力を増させるようなことするかなあ!?緊張感なさ過ぎですよ!!とりあえず、ちょっとでも逃げましょう。さあ、早く。

浜本:やだー。男の人に手を引かれて逃げるなんて、映画のヒロインみたいだわー。(ぶぅー!)

(ドッカーーーーーン!!)

松田:うわああ!!………。た、助かった…大丈夫ですか?奥さん。

浜本:………ええ。(ポッ)

松田:まずい、まさか…。

浜本:恋の導火線に火がついちゃったわあ。

松田:すみません!!恋の爆弾処理班はいませんかあ!!