メガ・ビッシュ
ノッポとメガネの標準語漫才
真壁「はいどーもー、僕らメガ・ビッシュ言いまして、東北高校でピッチャーやってるわけですけども。」

有様「よろしくお願いします。ところで真壁くん、君は昔なにかになりたいとかそういう夢はあったのかね?
   まあどうせ君のことだから『古くなった眼鏡を回収して使える金属に再生する仕事』ってトコかな。」

真壁「なんだよそれ。リサイクル業者のことだろ。眼鏡限定で再生する仕事なんかねえよ。」

有様「あっ、ちょっと説明し忘れてましたけど、こちらの真壁くんは眼鏡をかけてまして。
   今じゃ『眼鏡は顔の一部です』とか言っちゃって、眼鏡を破壊しないと真壁の体は消滅しないっていうね。」

真壁「なんで眼鏡のほうが本体みたいになってんだよ!
   そんなこと言ってるけど、こちらの有くん、ものすごい背が高いんですよ。話すときなんて見上げちゃいますからね。」

有様「ええ、子供のころから高いところにある木の実を食べやすいように進化しましたし。
   今じゃ基本的にオゾン食って生きてますからね。」

真壁「嘘のスケールがでけえよ!しかもそんなキリンみたいな進化するわけないし!」

有様「まあ話を最初に戻すけど、君は昔何か夢とかあったの?」

真壁「僕は昔からプロ野球選手になるのが夢でしたよ。今でもその夢は諦めていませんね。」

有様「なれるって!お前だったら絶対プロ野球選手になれるよ!
   新聞に大きく『人類史上初!眼鏡によるマウンド着陸に成功!』って載るし、
   お前もお前で『眼鏡越しに見えた死球は青かった』ってコメントするし!」

真壁「意味わかんねえよ!そんなガガーリンみたいなコメントするわけねえだろ!」

有様「きっと1年目から年棒大幅アップだよ! 真壁 △3,100 眼鏡 △10,000 」

真壁「なんで眼鏡が1億円プレーヤーになっちゃってんだよ!
   じゃあ逆に聞くけど、お前には何か夢とかあったのかよ?」

有様「実は僕も真壁くんと同じでプロ野球選手になるのが夢だったんですよ、誠に遺憾ですが。」

真壁「何が遺憾なものか。素晴らしい夢じゃあないか。」

有様「それでドラフト会議当日、学校に記者を集めて会見を開くのが夢なんですよ。
   緊張しながらいよいよドラフト開始…、そして見事希望球団に入団!…誠に遺憾ですが。」

真壁「そこが遺憾じゃいかんだろ!」



有様「はい、真壁くんが軽くスベったので記者会見コントいきます。
   うわー、今日はついにドラフト会議か〜。緊張するな〜。」

真壁「たしかにスベったけどそういうのは言っちゃマズいだろ!
   …えーっと、記者会見コントね。じゃあ僕は記者やればいいわけね。はいはい。」

有様「ああ、皆さん押さないで押さないで。僕は全ての記者に対して平等ですから。
   角度を計算してケーキを切り分けるぐらい平等。ピンセットで分銅を運ぶぐらい平等。」

真壁「(意味わかんねえよ…)ええっと、有くん。志望球団は巨人ということですが、今の心境は?」

有様「はい、キリンだけに首を長くして待っています。」

真壁「キリンの話はもういいよ!忘れてたわ!
   ところでね、もし巨人以外の球団が指名してきたらどうするつもり?」

有様「ははは、僕はどの球団に指名されてもバッチリですよ b( ゜ー^) 」

真壁「おお!すげえわかりにくいけどそれはOKのサインだね!」

有様「いや、契約金次第ってことです。」

真壁「じゃあ手の向きが逆だろ!OKのサインじゃなくて金のサインだったのかよ!
   …あっ!いよいよドラフトがはじまりますよ!みなさんモニターに注目しましょう!」

『みのもんた:うん…うん…わかるよ奥さん。でもね、夫の気持ちは考えたことあるの?』

真壁「……………。」

有様「みのの説教も飽きたなあ…(パチッパチッ)笑っていいとももいいけど金曜はつまんないし…
   (パチッパチッ)おっ、NHKで囲碁やってるやん。ちょっと録画しとこ。」

真壁「勝手にモニターのチャンネル変えんじゃねえよコラ!
   お前のための記者会見なんだからチャンネルはドラフト会議にしとけ!」

『千葉ロッテマリーンズ第一巡目指名選手……ダルビッシュ有、投手、宮城東北高校。』

有様「ロッテて!あんな球団『球場のチアガールのスカートがめくれる確率が風の影響で若干高い』
   ってぐらいしか楽しみがないじゃん!やだやだ!あんな球団やだ!
   まあ他の球団が指名してクジで当てれば問題ないか、ヒャッヒャッヒャ(ダルビッシュ扇子を広げながら)」

真壁(もうこのキャラについていく自信が無いです)

『…以上で12球団の第一巡目選択を終わります。 それでは第二巡目に移ります。』

ガターン!(有様の座っていたパイプ椅子が折れて後ろにずっこける)

真壁「わかりやすいリアクションだな!雷様のコントか!」

有様「うわーん!千葉ロッテやだやだ!ガム噛んで死ぬだけの人生なんてやだ!
   このプロ野球の矛盾を世間に知らしめたい!矛盾ばかりのプロ野球に喝を入れたい!」

真壁「矛盾て!お前のその態度が一番矛盾してるよ!あと全国のロッテファンに謝れ!」

有様「訴えてやる、この矛盾を訴えてやる!『机の上にはマイクが5個しかないのに
   床にはなぜか数十本のコードがつながってる』矛盾を訴えてやる!」

真壁「そんな記者会見のあるあるネタみたいなのはどうでもいいよ!たしかに疑問だけど!」

有様「訴えてやる、この矛盾を訴えてやる!『PS版のパワプロのCOM対戦では、
   外野がバックホームをした瞬間に3塁に走れば100%セーフになる』矛盾を訴えてやる!」

真壁「そんなピンポイントな矛盾を指摘されても誰もわからないから言うな!
   …有くん、もう決まったことなんだから、ここは妥協してロッテに入ったらどう?」

有様「…わかりました。しかし1つだけお願いがあります。」

真壁「うん、僕に言われても困るんだけど、一応聞くよ。何だい?」

有様「渡辺俊介の下手投げは、投手としてではなく
   チアガールのスカートペローン要員として使っていただきたい。」

真壁「結局それは楽しみなのかよ!もうやめさせてもらう!」